デジタル技術
私は以前、スマートフォンやタブレットを使って住宅を見学し、そのまま選べる時代がすぐに来ると思っていました。
栞でも、お客様がもっと気軽に建物をご覧いただけるように、そしてコストをできるだけ抑えるために、3D技術を取り入れようと考えました。
しかし、実際にはそう簡単にはいきませんでした。
図面や画面上の映像と、実際に建物の中に入ったときの印象には、人それぞれ感じ方に違いがあります。
「思ったより広い」「想像よりも狭い」といった感覚のズレは、自然なことであり、画面越しでは空間の“広さ”や“雰囲気”を正確に伝えるのが難しいのです。
今のところ、スマートフォンやタブレットの映像技術は、実際の建物が持つ情報量や臨場感にはまだ追いついていません。
そのため、実際に建物を訪れて、空間の広がりや素材の質感を直接感じることは、住宅を選ぶうえで今もとても大切なことです。
とはいえ、テクノロジーは少しずつ進歩しています。
VRやAR、高精細な3D技術の進化によって、「まるでその場にいるかのような住宅見学」が、より手軽に、より正確にできるようになる日が近づいています。
私たちは、いつか“実物よりも分かりやすく、魅力的な仮想空間”が実現できると信じています。
その未来に向かって、これからも挑戦を続けていきます。