勇気ある方向転換
これまで私は、「粘り強く、あきらめずにやり続ければ、必ず道は開ける」と言ってきました。
それは今でも大切な考え方です。しかし、もう一つの視点も同じくらい重要です。
どれだけ大きな方針を立て、全員で力を合わせて進んでも、うまくいかないことがあります。
あらゆる手を打っても成果が出ず、「この延長線上に未来はない」と、うすうす気づく瞬間があります。
そのサインを見逃さないことが、リーダーには求められます。
その場合は、思い切ってゼロベースで方針を見直すべきです。
これまで積み上げてきた努力や時間がもったいなく感じるかもしれません。
でも、それに縛られて判断を誤れば、もっと大きな損失を生みます。
重要なのは、「今この瞬間に何もない状態からスタートするとしたら、自分はそれを選ぶか?」という問いです。
答えがNOなら、すぐに方向を変えるべきです。
撤退や軌道修正には勇気がいります。
しかし、それができるのが経営者であり、優れた幹部の条件です。
過去にこだわるのではなく、常に未来を見て、新しいチャレンジを続けていく。
それが、強い組織をつくる唯一の道だと思います。