パンを焼くのが趣味。
と言うと、なんだか素敵に聞こえるけれど、
パンづくりって、正直めんどくさい。
生地をこねるのは、もはや肉体労働。
発酵も、温度と湿度をきちんと管理しないと
スムーズにふくらんでくれない(1時間かかることも!)。
生地を傷めないように、成形もスピードが命。
そして最終的にまた30分ほど発酵させ、
やっとオーブンに入れて焼きあがるという大仕事。
そんなに大変なら買えば?と思うかもしれない。
でも、生地からゆっくりゆっくり育てた、
たったひとつの愛おしいパンをほおばるよろこびは、
自分でつくらなければ味わえないから。
それに、知っている人はどれだけいるだろう?
焼き立てのパンが「パチパチ…」とかわいく鳴くこと。
この声を聞けるのも、パンを焼く人だけの特権なんだ。